確定申告期間ですので、住宅ローン控除の適用において間違えやすいポイントをご紹介します。
住宅ローン控除の額は、住宅ローン等の年末残高の合計額(住宅の購入金額が住宅ローン等の年末残高の合計額よりも少ないときは、その購入金額。)を基に、居住の用に供した年分の計算方法により算出します。
住宅ローン控除の適用ができないケース
居住を開始した年とその年の前2年以内に居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(3,000万円の特別控除)などを適用している場合や、居住を開始した年の翌年以後3年以内に以前に居住していた住宅等を譲渡した場合に3,000万円の特別控除などを適用している場合には、住宅ローン控除を受けることはできません。
つまり、現在居住している自宅を売却し、新たに自宅を住宅ローンで購入する場合や、先に新しい自宅を住宅ローンで購入し、その後に以前居住していた住宅等を売却する場合には、「3,000万円の特別控除や軽減税率と、住宅ローン控除のどちらを利用するか」の検討が必要です。
具体的には、3,000万円の特別控除や軽減税率の適用によって軽減される税額と、住宅ローン控除を受けることによって還付される税額とを比較し、有利な方を選択することになります。
住宅の購入金額から控除する金額
①国や地方公共団体から交付される補助金等
住宅の取得等に関し、国や地方公共団体から交付される補助金等の交付を受ける場合には、住宅の購入金額からその補助金等を控除します。
例えば、2024年で終了した子育てエコホーム支援事業の補助金は、住宅ローン減税等を併用する場合、住宅の取得価格等から控除する必要があります。
また、いわゆる定住奨励金は、その市区町村への定住促進を目的として交付される助成金ですが、その市区町村に居住用家屋の新築、購入を条件に交付される場合、住宅の取得等と交付される定住奨励金の間には、相当の因果関係があると考えれるため、住宅の購入金額からその補助金等を差し引く必要があります。
なお、これらの補助金等は一時所得として課税対象となりますが、子育てエコホーム支援事業の補助金は、所得税法第42条第1項(国庫補助金等の総収入金額不算入)に規定する「国庫補助金等」に該当するため、確定申告書に「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付することにより、一時所得の総収入金額に含めないことができます。
②住宅取得等資金の贈与の特例
贈与を受けた人ごとに、省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円までの住宅取得等資金の贈与が非課税となりますが、この特例を適用した場合には、住宅ローン控除額の計算において、その特例を受けた金額を住宅の購入金額から差し引いて計算します。