お金のやりとりが最後にあった日から10年が経過した預金は、通知公告などの手続きを経て支払請求がなかった場合、預金保険機構に移管されます。
預金保険機構によると、2023年度に移管された預金の額は1609億円、口座数は711万口座に達しています。
2009年1月1日以降の取引から10年以上経過し、その後の異動がない預金を「休眠預金」と呼びます。
休眠預金の対象になるのは、銀行の普通預金や定期預金、郵便局(ゆうちょ銀行)の通常貯金や定期貯金、定額貯金、信用金庫の普通預金や定期積金などです。
一方で、外貨預金や仕組預金、財形貯蓄などは対象外です。
休眠預金とならないようにするには、入出金などの「異動」を10年以内に行う必要があります。
ただし、例えば利息の入金や通帳の記帳だけでは異動と見なされない金融機関もあります。
金融機関ごとに異動の定義が異なりますので、詳細については取引のある金融機関にお問い合わせください。
これらの資金は、休眠預金等活用法に基づき、子ども若者支援、生活困難者支援、地域活性化等支援など社会課題の解決や民間公益活動の促進に活用されています。
なお、休眠預金になった場合でも期限は設けられておらず、預金を引き出すことができます。
取引のある金融機関に通帳や取引印、本人確認書類等を持参して手続きを行ってください。
通帳などを紛失している場合であっても、本人確認書類(身分証明書)などを持参すれば、引き出すことができます。
具体的な手続きについては、取引のある金融機関にお問い合わせください。
また、自分の休眠預金が民間公益活動に活用されてしまうと、もう引き出せないように思う方もいるかもしれませんが、引き続き引き出せます。
各金融機関から移管された休眠預金は民間公益活動に活用されますが、 移管された休眠預金の全てが活用されるわけではなく、預金保険機構において将来の引き出しに備えた準備金が積み立てられています。
預金者が亡くなった場合でも、金融機関所定の手続きを経て、その相続人が預金を引き出すことができます。
必要な手続きについては、取引のあった金融機関にお問い合わせください。
ただし、相続の場合、預金者が家族など周囲に預金先の金融機関を知らせていないと、相続人は預金の存在すら知らない可能性があるため注意が必要です。
今後は、保険や株式のように、相続人が被相続人の預金の所在を容易に確認できる制度の整備が求められます。
なお、預貯金口座をマイナンバーとひも付けた場合、口座情報を一括照会できる「預貯金口座管理制度」が2025年3月末頃に稼働する予定です。
また、不動産についても、全国の物件を一括照会できる「所有不動産記録証明制度」が2025年2月にスタートするなど、相続手続きの効率化が進んでいます。