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一般NISAの非課税期間終了に注意!

NISA口座から課税口座への移管を選択した場合の図表
出所:金融庁HP~課税口座への移管を選択した場合~

 2024年1月からスタートする「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という新たなNISA制度の導入に伴い、現行の「つみたてNISA」と「一般NISA」は2023年12月末で終了します。

 

 このため、現行制度の非課税期間が終了すると、翌年の非課税投資枠に移すことはできません。

 

 特に非課税期間が5年間と短い一般NISAは同期間の終了時を視野に検討する必要があります。

 

 5年間の非課税期間が終了すると、口座内の金融商品を課税口座に移すか、又は売却することを選択できます。

 

 以下、課税口座への移管を選択したケースを見てみましょう。

 

 非課税期間が終了すると、終了時の価格が新たな取得価格となるため、非課税期間終了時に保有資産が値下がりしていた場合は注意が必要です。

 

 例えば、上の図のように、一般NISA口座で株式を120万円で購入し、5年の非課税期間終了時に100万円に値下がりしていたとします。

 

 この時点で一般NISA口座から課税口座へ移す場合、取得価格は100万円に変更されます。

 

 非課税期間の終了後、

 

①100万円から130万円に値上がりし売却した場合 → 利益の30万円(130万円-100万円)に課税されます。

 

 最初から課税口座で120万円で購入し、130万円で売却した場合、10万円(130万円-120万円)の利益に課税されることになります。

 

 一般NISA口座から課税口座へ移した場合(①)と比較すると、一般NISA口座から課税口座へ移した場合の方が支払う税金が多くなってしまいます。

 

②100万円から80万円に値下がりし売却した場合 → 利益がないので税金はかかりません。

 

 譲渡損失20万円については、確定申告により、その年分の上場株式等に係る配当所得等と損益通算することができます。

 

 また、損益通算しても控除しきれない損失の金額については、翌年以後3年間にわたり、確定申告により、上場株式等に係る譲渡所得等の金額と上場株式等に係る配当所得等の金額から繰越控除することができます。